常盤木学園・阿部由晴監督に聞く 鮫島彩の「内股走り」に意外な秘密 [サッカー]

常盤木学園(宮城)は〝なでしこの虎の穴〟と呼ばれる女子サッカーの名門高校だ。ロンドン五輪に臨むなでしこジャパンにDF鮫島彩(25=仙台)、MF田中明日菜(24=INAC神戸)、DF熊谷紗希(21=フランクフルト)を送り出している。その同校女子サッカー部の阿部由晴監督(49)が本紙の単独インタビューで、教え子たちの〝秘話〟を披露。男性人気ナンバーワンと言われるDF鮫島の「内股走り」には意外な秘密があった――。

 ――多くの代表選手を輩出した秘訣は

 阿部:そんなものはないよ。女子サッカーを教え始めて17年になるけど、私に力があるからいい選手が出るのではなく、実力がある選手が来るだけ。私は、それぞれの能力にほんの少し磨きをかける。ただ女子の指導法や接し方は、やはり男子と違うところもあるのも事実だ。

 ――その違いとは

 阿部:例えば、男性はみんなの前で怒るのではなく、個別に呼んで叱るのが基本。だが女性の場合は違う。秘密を作らず、その場で怒らないと周りに違和感を与えてしまう。女性は心が広く、ピュアで素直。指導する側に後ろめたさやズルさがあると感覚で理解するので、そういう人にはついてこない。

鮫島彩001.jpg ――DF鮫島は優等生

 阿部:第一印象で悪く言う人はいない。勉強もしていた。彼女は何か決断をする場合、選択肢を2つ持ち、悩みながら次の道を決めるタイプ。でも「どうして私はこっちを選んだか」と理由づけができる。常盤木に来る際も「だいぶ悩んだ」そうだが、サッカーは続けることを決めていたので、進学したそうだ。そんな意味では、生き方は上手な子だよ。

 鮫島彩b.jpg――鮫島といえば「内股走り」が話題になる

 阿部:彼女を最初に見た時は「あれ?」と思ったが、体質が特別だったんだ。人間の体は通常、内股では尻に力が入らない。これは使う筋肉が違うからで、内股の欠点はそこにある。だが、彼女の場合はそれでも尻の筋肉に力が入るんだ。

 ――内股走りには秘密があった

 阿部:しかもドリブルでスピードに乗った時は普通、視野が狭くなるものだが、彼女は姿勢がよく、視野も広い。これが特徴の一つで、内股だから足元で上手にボールに触れられる。最初に見た時から日の丸(日本代表)という感覚はあった。だから彼女の内股は武器であって、直す必要なんてないと判断した。

★さめしま・あや=1987年6月16日生まれ。栃木県出身。常盤木学園卒業後に東京電力マリーゼに入団も、2011年米国へ移籍。昨年W杯後にモンペリエに移籍。現在は仙台。日本代表45試合出場2得点。


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