【ロンドン五輪】吉田沙保里 自身の本懐満たす「出るからには3連覇」 [レスリング]

 アスリートの本懐はさまざまだ。「五輪に出たい」とする者、「五輪でメダル」とする者。志の到達点の差が競技者の価値を決めるものではないし、メダルの色に貴賤の差はあるまい。
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ただし、レスリング女子55キロ級の吉田沙保里の場合は、至高の輝きを持つメダルでしか自身の本懐を満たせない。

 「誰も作れない記録を作りたい。出るからには3連覇」。女子柔道の国民的ヒロイン、谷亮子(現参院議員)でさえたどり着けなかった日本女子未踏の高峰に、旗を立てようとしている。

 2004年のアテネ五輪、08年の北京五輪を2連覇し、世界選手権は9連覇中。ロンドン五輪で公約を果たせば、世界大会の連覇は「12」に伸びる。「霊長類最強の男」とうたわれた男子グレコローマンスタイル100キロ超級のアレクサンドル・カレリン(ロシア)に並ぶ記録だ。

 世界中のレスラーは畏敬を込めて「女カレリン」と呼び、日本のメディアは「カレリン超え」の難題を29歳に背負わせる。なのに吉田の笑顔は肩の荷の重さを感じさせない。「もっと頑張ろうという気持ちにさせてくれる。チャンスがあるのは私だし、『カレリン超え』っていい響き」
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 三十路の足音が近づくにつれ、体のきしみが気になるように。一直線のタックルに加え、組み手で相手を捕まえ、出し投げで泳がせ、バックを取る-。そんな円熟の技も増えた。だが、駆け引きと押し引きを使う今も、後ろに下がることは知らない。「大事なのはタックルに入る勇気、攻める勇気」。自らの影をも引きちぎる神速のタックルで、吉田はきょうも高みへと駆け上がる。
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